日本の造船業を支える造船専門学校

日本の造船業を支える造船専門学校

長崎総合科学大学は元々は川南高等造船学校を前身として、その後造船専門学校になり現在の形になった様です。この学校の卒業生は主に日本全国の中小造船所で中心的な立場で活躍していると聞きました。

学校は日本の造船業を支えていると自負しています。ここではこの学校の沿革や指導内容、造船技術コースや海洋フロンティアコース等について説明します。

学校の沿革と学科内容

長崎総合科学大学は、1943年4月に長崎港外香焼島に開校しました。以前よりその地にあった川南高等造船学校が前身です。それから校名が長崎造船専門学校になり長崎造船大学と変わって行き、1978年7月に現在の名称になりました。

船舶工学科はこの学校の発足の基盤となっている学科です。

日本の造船技術者は経済復興と経済成長を戦後から担って来ました。その造船技術者を育成する大きな役割を、この学科は果たして来ました。送り出した卒業生はこれ迄に約3000名です。日本各地の中小の造船所で卒業生は中心的立場で活躍しています。

日本の造船業を担っていると言う自負がこの学校にはある様です。製造業の発展無しでは社会の実体ある発展はあり得ないとも言えます。製造業の重要性は昨今の社会風潮として、物づくりの魅力についての認識がやや希薄になっている様にも思われます。

その為造船教育や造船業を軽視する傾向も見られる事です。この学科はこの様な情勢を直視しています。国内造船関連の8大学の内7大学が、学科名から造船や船舶の名称を外しました。しかしこの学科は唯一の船舶工学科として学科名を貫いています。

そして大きな役割を果たす為、造船技術者の教育と研究を推進しています。現代の要請に応える為に、教育の内容については絶えず見直しと改善を加えています。コースも変更して造船技術コースと海洋フロンティアコースの2コースになりました。

造船技術コース

造船技術コースで造船技術を学ぶ学生は、これ迄以上に実践力に富む技術者に成長する事を目標にしています。カリキュラムの構成にあたり、中小造船所の技術者を目指す学生に必要な内容を更に充実させました。カリキュラムの内容は実学を重視しました。

特徴として先ず導入した教育は造船所や海洋関連施設を見学します。次にどの様に船舶が建造され運航されるのかを学びます。造船に求められる技術を実感する方法として、船舶模型等を製作する物づくりのプロジェクトに参加します。

造船に必要な専門知識として船舶設計製図や船舶算法学びます。それと共に基礎学力として材料力学や構造力学、流体力学を身に付けます。そして基本設計を経て、詳細設計に至る造船設計や造船工作法等の理解を、造船技術全般での学習を促進させています。

他にもコンピューター教育は、情報処理やCAD等の技術指導の充実を図っています。実践力に富んだ技術者としてのみでは無く、人間性に富んだ技術者を育成する事を目標にしています。自分で考え自分で行動する資質を養います。

学生の自主性を重んじて教員はサポートする形で行います。正規の科目としてはプロジェクトで、課外活動は物づくり研究会等の活動で推進しています。

海洋フロンティアコースとその他の活動

海洋フロンティアコースは海と船の歴史や海洋環境、海洋の資源やエネルギーと海洋開発、海洋調査や海洋生物等、幅広く海洋に関する知識を習得します。海と人間の係り合いを学習し理解します。船舶一般や海上航海の知識を学ぶ事でその後乗船実習を、学校所有のボートとヨットを使用して行います。

海洋スポーツとレジャーに挑戦する科目を設けているので、海や船の魅力を体験して実感し学習する事が出来ます。海洋空間のデザインはユニバーサルデザインで、環境や福祉等を重視した概念を導入しています。女性の感性を活かす事で、離島の老人福祉船やハウスボート等のデザインも行っています。

その他マリンリゾートの計画等にも取り組んでいます。物づくり研究会の活動は学年横断的に夢の船研究会を組織しています。人力水中翼船やソーラーボートのコンテストに毎年参加しています。参加する事で優秀な成績を収めています。

その為マリンスポーツ財団よりマリンスポーツ年間優秀選手賞が授与されました。学生の就職に対しては極めて高い就職率を毎年誇っています。就職先は学部や大学院を合わせて造船や海運関係に60パーセント、その他の工業に25パーセントです。

この事から唯一の船舶工学科としての責務を果たしていると言えます。

舟艇デザインと船舶ソフト

コンピューターが船舶設計に導入された事で、高度な検討が質的にも効率的にも可能となりました。船舶工学科は船舶デザインをパソコンを積極的に使用した教育としてより一層の充実に努めています。船舶設計において積極的にパソコンを利用する環境は、図形作成や技術計算、データ処理等です。

製造に図面の必要性が無くなる事はありません。しかしCADデータから直接製造するNC技術は、更に発達して今や造船現場迄に普及しています。船舶設計は基本ラインズの作成後の船型のデータをベースとして構造図や配置図、部品図へと展開します。

船体形状を船舶工学科では3次元で検討します。これと同時に排水量や関連する船舶技術計算が可能なソフトを導入しています。これを用いた舟艇デザインの講義は、学生が興味を持ちやすい内容となっています。作成する資料や図面は商談や製造、承認等様々な用途で使われています。

パソコンを使用して舟艇デザインの講義での作成例として、商談を成功させるには検討結果を上手く表現します。更に相手をその気にさせなくてはいけません。最近重要視されているのはこのプレゼンテーション技術です。特に説得力があるのはグラフや次元グラフィックで作成した資料です。

大変効果的なのは、ソフトを利用して作成した企画書や仕様書、コスト計算書等です。基本設計は船型の決定や排水量等特性や、性能計算や船体構造設計等です。大学での船舶ソフトとしては、MaxSurf や HydoMax、WorkShopを使用します。

只船舶関連専門知識や基礎学力が不足する学生が多い事から、ソフトを使いこなしているとは言えません。詳細設計は基本設計が終了すると行います。現在では卒業研究や卒業設計で船舶ソフトやCADソフトを使用する状況です。

技術計算について

図面作成の他にも舟艇デザインは技術計算も行います。速力計算や安定計算、構造計算等は船舶ソフトに含まれる場合もあります。しかし講義では計算ソフトのエクセルを多用し身近にあるもので成果をあげています。他にも講義をサポートする技術計算ツールも多数準備を進めています。

参考資料「学生の皆さまへ専門学校のご案内|就職に強い大原学園」http://o-hara.ac.jp/senmon/